夢判断と夢占いは、根本的に違うものです

夢判断と夢占いは、根本的に違うものです

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夢に神秘的な力や、神の摂理が働いていると思われていた頃は、夢占いが大きな意義をもって迎えられていました。たとえば、アレキサンダー大王が、シリアにあるテュロスという街を攻撃しようとしていたときのこと。あまりに反撃が激しい為に、大王は征服を断念しようとしていました。

ところがある夜、大王の夢に、勝利に酔いしれるギリシャ神話の森の神サテュロスたちが登場しました。夢占い師は、「それこそ、わが軍の勝利のお告げに違いありません」と言ったのです。結局、大王はテュロスの街を手中におさめたわけですが、現在の精神分析学を用いるまでもなく、森の神が勝利を本当に予言したと考えるのは難しいでしょう。

むしろ、暗示を受けた大王が、「必ず勝てる」と思って闘ったことが自信につながり、勝利をおさめる結果となったと考える方が自然です。
夢占いの多くは、夢を題材にして将来を予言したり、他人や自分に暗示をかけるものに過ぎないようです。往々にして、現実の生活で何かいいこと、悪いことが起こった時、夢のせいにして説明しようとするものが多かったのです。

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ところが、夢判断の考え方では、夢は自分でも気がつかなかった心の中を、豊かに表現できるステージとされています。
したがって、その分析も、「Aの夢にはBの分析」という単純な公式があてはまるものではありません。夢を見た本人の心の内面を深く知り、どんな願望を持っているか、どんな悩みを抱えているかを解明しようとするものなのです。夢をこの様な形で、はじめて科学的に解明し、分析しようとしたのがフロイトなのです。
「夢はその人の無意識に通じる道である」と考えたフロイトは1900年に出版された「夢判断」という著作の中で、さまざまな人が見た夢を集め、彼らと直接対話することで、その人の無意識の世界に潜んでいる願望をつかもうとしました。

たとえば現代でも、「蛇の夢を見たから、お金がもうかる」というような言い伝えがあります。これは、先に述べた夢占いの発想です。ところが、精神分析学において蛇は、どちらかといえば「ペニス」「性」の象徴として捉えられています。女性が蛇の夢を見た場合には、「恋人と一線を越えることに対する恐怖心」、または「恋愛での新しい展開に対する好奇心」と考えられるわけです。

そのいずれが当てはまるかは、本人が自分の心の声に耳を傾けなければいけません。恋愛経験の少ない人なら「恐怖心」が先立つかもしれませんし、もうそろそろ彼と密接な関係をつくりたいと思っているのならば、「好奇心」が優先されるでしょう。

夢を分析するために、夢を見た本人の話をじっくり聞き、意識の奥底にあるものを見いだそうとするのは、現代の精神分析学においても変わらない、重要な方法です。このように夢分析は、人間の無意識に焦点をあて、深い洞察といくつものケーススタディをもとにして行われる、科学的な判断といえるでしょう。

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