<テセウスの船>犯人は誰?上野樹里熱演で視聴者「涙が止まらない」

“由紀”上野樹里の熱演に視聴者「涙が止まらない」

連続ドラマ「テセウスの船」に出演している上野樹里さん

 俳優の竹内涼真さん主演の連続ドラマ「テセウスの船」(TBS系、日曜午後9時)の第4話が2月9日に放送された。

同話のラストで描かれた、週刊誌の記者・岸田由紀(上野樹里さん)の行動に、SNSでは「由紀さーーーん!」「勇気ありすぎる」「かっこよすぎっ!」「ほれてまう!」「好きすぎる」といった声が多数上がり、盛り上がりを見せた。

 原作はマンガ誌「モーニング」(講談社)で連載された東元俊哉さんの同名マンガ。

主人公の田村心(竹内さん)が31年前にタイムスリップし、父で警察官の佐野文吾(鈴木亮平さん)が逮捕された「音臼小無差別殺人事件」の謎を追う物語。

 第4話は、31年前の世界から現代に戻ってきた心だったが、文吾は冤罪でとらわれたまま、母の和子(榮倉奈々さん)と兄の慎吾(番家天嵩くん)は心中して亡くなっていた。

生き残った姉の鈴は行方知れず。心は、自分が過去を変えたことで最悪の歴史に変わってしまったのを深く後悔する。

視聴者からは「この未来は悲しすぎる」「むごい…」「最悪過ぎる」「やるせない」という感想の声があふれた。

 「自分の父親を信じてみて」と背中を押してくれた最愛の妻・由紀が亡くなった歴史も変わっているのではと思った心は、由紀の実家のそばで、歴史が変わって生きている由紀と遭遇。

しかし、由紀は「音臼小無差別殺人事件」について調べる週刊誌の記者となっていた。その後、心は、拘置所の文吾と再会し、必ず冤罪を晴らすと約束。

さらに、村田藍という名前に変え、音臼小事件の被害者である木村みきお(安藤政信さん)と生活する鈴(貫地谷しほりさん)とも再会する。

 文吾の冤罪を晴らそうとする心は、由紀から「音臼小事件被害者の集い」の情報を手に入れ、会場に向かう。

被害者から文吾の冤罪を晴らせるような証言者を得ようとする心だったが、会場にみきおの母・木村さつき(麻生祐未さん)がいるのを知る。鈴の今の幸せを壊してしまう可能性があるため、心は諦めて会場を後にしようとする。

すると由紀が、会場に乗り込み、被害者たちの前で、「真犯人がいるのではないでしょうか」と熱く語り、無実を証言してくれる人を探そうとするが、

被害者たちからは罵声が飛び、あげくの果てに水をかけられてしまうが、それでもひたすら情報提供を呼びかける……というストーリーだった。

視聴者からは「由紀さんの行動に涙が止まらない」「リピート再生して泣いている」「由紀さんはいい人のままで良かった」といった声が上がっていた。

『テセウスの船』”過去で交流した父と息子”が現代にもたらしたものとは

『テセウスの船』"過去で交流した父と息子"が現代にもたらすものとは
SF、ミステリーに加え、家族再生モノの要素も盛り込まれた、竹内涼真主演の日曜劇場『テセウスの船』。
本作の原作は、「モーニング」で連載された東元俊哉の同名漫画で、主人公・田村心(竹内)が31年前にタイムスリップし、警察官の父・佐野文吾(鈴木亮平)が逮捕された「音臼小無差別殺人事件」を止めるべく奮闘する物語だ。

日曜劇場でタイムスリップものというと、『JIN-仁―』をイメージする人もいるが、主人公がまだ生まれる前の時代に戻り過去を変えようとするのは映画『バックトゥザフューチャー』にも通じるし、

主人公が過去へ行き、事件や事故を看破して食い止めようとするのは、アニメ化・実写化もされた『僕だけがいない街』に似ている印象もある。

しかし、物語のキモは、タイトルでもある『テセウスの船』。

これはパラドックスの一つであり、「後世に偉大な船を残そうとして、船の修繕を繰り返していたら、最終的にもともと使っていた材料は全部なくなったが、それは果たして最初の船と同じと言えるのだろうか」というもの。

こう聞いてもすぐにはピンとこないが、物語が進むとともに、徐々にその哲学的な問いの意味が見えてくる。

だからこそ第3話までの時点で、従来のタイムスリップモノではありえない衝撃的なことがいくつも起こる。

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過去に辿り着いた心は父が起こしたとされている「音臼小無差別殺人事件」を阻止すべく、妻・由紀(上野樹里)が残した音臼村で起きた事件の数々をまとめたノートをもとに村人を救うことを決意。

音臼小学校の臨時教師として子供たちを見守ったり。雪崩や火事から村人を遠ざけようと奮闘する。

そんな未来から来た主人公の行動によって過去が少しずつ変わるというのは、タイムスリップもののお約束だが、まず驚いたのは第一話で主人公・心が後に殺人犯として逮捕される父に対して、自分が未来から来たことを打ち明けてしまうこと。

これは普通のパターンなら、最後まで守り通す秘密のはずだ。

さらに、そんな信じがたい荒唐無稽な話をおおらかで朗らかな父は心への信頼感から意外にもすんなりと受け入れる。信頼し合う二人の幸せなやりとりだけ見ると、まるで物語のフィナーレのように見えるくらいだ。

しかし、そんな予想外のやりとりが第一話で描かれるのは、それがさして重要ではないからだ。

もっと重要な秘密は、父が殺人事件の犯人として逮捕されるという事実と、自分がまだ生まれていない父の子である事実。しかし、それすらも第3話で明かされる。

これにはさすがに父も冷静さを失い怒りをあらわにするが、最終的にはやっぱり受け入れる。二人の疑惑と信頼の繰り返しは、第3話まででいったん完結するのである。

さらに実の父のみならず第3話では心に疑いの目を向け、正体を暴こうと執拗に追いかけていた刑事・金丸(ユースケ・サンタマリア)もまた、心が未来から来たという話を受け入れてくれた。

しかし、最も心強い味方を得たかに見えたところで金丸が何者かに襲われ、心は現代に再びタイムスリップ――。

過去から戻ってきた世界では事件を防ぐことができなかったばかりでなく、母が一家心中を図り母と兄が亡くなっているというさらに悪い状況が起こっていた。

この結末を目の当たりにして初めて『テセウスの船』の持つ意味の残酷さが浮かび上がり、ゾッとするのだ。

ところで、ミステリーとして「犯人捜し」を楽しむ他にも、本作にはたくさんの魅力が詰まっている。

一つは、”犯人候補”の怪しい役者を、これでもかというほど大量にぶちこんでいること。

第一話で犯人に見えていた父・鈴木亮平が良い人だったことがわかると、次に怪しく見えていた竜星涼が死に、心を一番追い詰めていたユースケ・サンタマリアが味方になってくれると、襲われ・・・と、”犯人候補”は次々に消えていく。

物語中には、犯人がワープロに日記のような記録を入力する画面が度々登場するが、そこに差しはさまれるのが、今野浩喜、笹野高史、六平直政、麻生祐未、霜降り明星・せいやなどの怪しい顔、顔、顔・・・。

ちょっとやり過ぎではないかと思うほど、達者な役者陣の怪しい顔を並べてくるあたりは、さすが日曜劇場だ。

そしてもう一つの魅力は、心が人生で全く味わったことのなかった「幸せな家族」の姿が、31年前の世界で描かれること。

すぐパンツ一丁のような恰好で(アントニオ猪木のモノマネ含む)笑いをとり盛り上げる父と、大笑いする姉兄、夫にツッコミを入れたり諫めたりしながらも、明るく包み込む母と――

そうした家族のやり取りが、後に失われることがわかっているからこそ、眩しいほどに愛おしいのだ。

そして一番愛おしいのは、毎度毎度泣いてばかりの竹内涼真だ。

真っ暗な人生を過ごしてきたからこそ過去の家族の幸せな姿を見てはウルウルし、本気で心配したり自分の無力さを悔やんだりしては鼻を真っ赤にし、事件を防ごうと雪原を必死で走る。

その健気な姿は、頑張り屋の柴犬のような魅力があって、応援せずにはいられない。ちなみに、鈴木亮平との親子のシーンは、大型犬と柴犬の戯れのように見えて、これもなかなか味わい深い。

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第4話から第2章が始まり、心が過去で事件を防ごうと奮闘した結果”変わってしまった現代”が描かれるが、「過去の世界で交流した父と息子」という変化が、何をもたらすのか。

また、先日行われたイベントで原作とは犯人が違うということが原作者から明かされていたが、それは一体誰なのか・・・怪しげな面々のその後とともに要注目だ。

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