『テセウスの船』6話真犯人が発覚、物語は予測不能の展開に突入

『テセウスの船』第6話にして真犯人が発覚 再び平成元年に戻るも、物語は予測不能の展開に突入

音臼小事件の犯人は音臼村の住人の中に潜んでおり、刑事の金丸(ユースケ・サンタマリア)を崖から突き落とした人間が存在する。しかし、その正体を伝えようとした松尾紀子(芦名星)は、木村さつき(麻生祐未)によって殺害されてしまった。

実家がメッキ工場を営むさつきが犯人なら、口封じのため紀子を殺したことにも説明がつくが、そのさつきは何者かに毒殺されていた。

さつきの息子である木村みきお(安藤政信)から、小柄で小太りの男がさつきの病室から走り去ったという話を聞いた心は、由紀(上野樹里)とともに村人の消息を訪ね歩く。

第6話で注目を集めたのは、真犯人から届けられる奇妙な絵だ。31年前の音臼村で心が見た絵は、いずれもその後の犯行を示唆するものだった。

新たに届けられた絵は2枚。見おぼえのある筆跡で書かれた差出人不明の封筒には、人が折り重なって倒れている様子が描かれていた。

もう1枚の差出人は木村さつき。絵には事件の慰霊碑と赤い涙を流している男が描かれ、その上には3月8日の日付が記されていた。

真犯人からの挑戦状のような絵を目にした心は、事件の黒幕と対決するために慰霊碑がある音臼小の跡地に向かう。そこに現れたのはみきおだった。

SNSで真犯人に関する考察が盛り上がりを見せる中、ついに犯人を名乗る人物が登場した。さつきたちを手にかけ、犯罪を完遂するためには手段を選ばない冷酷な人物の正体はなんと小学生。

ワープロに犯行記録を入力したり、扉の隙間からのぞきこんでいたのは、10歳のみきおだったことになる。つたない絵の筆跡は幼い殺人鬼の手によるものだった。

ここに至るまでさつきによる心と鈴への執拗な妨害があり、不審な村人たちが何人も登場した。また、長谷川翼(竜星涼)をはじめ真犯人と目された人々が次々と殺されてきたのも今作の特徴。

そんな中で、犯人は絵を使ってもっとも身近な場所から自らの存在を知らせていた。

気になるのは、大人になったみきおが心に向かって「心先生」と呼んでいること。31年前、タイムスリップした心と出会ったみきおは、現代で再会した心を同一人物と見破っていたことになる。

31年後の再会シーンで心にさつきが「どこかでお会いしましたか?」と尋ねる場面もあったが、少年みきおは心が捨てたノートと免許証を拾っているので、心が未来から来た事を知っていた。それ故に心先生を覚えていたのだろう。

『テセウスの船』は、現代から来た主人公が過去に起こった事件の謎を解き明かす設定だ。現在から見ると過去はすでに起きてしまったことであり、視聴者は主人公と同じ視点からことの経過を見守ることになる。

しかし、第6話では、主人公と反対の立場から、過去と現在の両方を知る人物が登場。物語の結末は一気にわからなくなった。

心がやってきたことを知るみきおは、佐野の無実を証明しようとする心の努力を根底から覆しうる存在だ。

捨て身の覚悟でみきおをおびき出した心だったが、霧が立ち込めて31年前にタイムスリップしてしまう。犯人の正体を知った心は、佐野とともに事件に立ち向かうことになる。

第4話からはじまった現代編のもう一つの見どころが、心と週刊誌記者の由紀の関係だ。元いた世界で夫婦だった2人が事件の真相を追う中で絆を深めていく様子は、まさにパラレルワールドを可視化したもの。

第6話で、ついに心は2人が夫婦だったことを由紀に打ち明ける。時空を超えたラブストーリーの行方にも注目したい。