なぜマラソンは42.195キロなのでしょうか?
マラソンが古代ギリシャのマラトンの戦いの故事から始まったという事は、よく知られています。
マラトンの丘から戦いの勝利を伝える為にアテネの城門まで走り続けた兵士が、勝利を伝え終えると力尽きて絶命してしまった、という美談の事です。
そこで、マラトンの丘からアテネの城門までの距離が42.195キロあると思っている人も多いと思います。しかし、実際にはその距離は40キロしかありません。
1920年の第7回オリンピックまでは、コースの距離は40キロ前後あればよく、一定していませんでした。
マラソンが現在の42.195キロになったのは、第4回のロンドンマラソンからでした。
当初、このレースは26マイル(約41.842キロ)で行われる予定になっていたが、競技場に観戦に来ていたアレクサンドラ王女の目の前で競技者をゴールさせたいという配慮から、42.195キロに変更されたのです。
どのような理由かはわからないが、その距離が正式に採用されてしまい、1924年の第8回のパリオリンピックからは、42.195キロでマラソン競技が行われる様になりました。
市民マラソンのタイム計算はどのようになっているの?
青梅マラソンなど、数万人規模で市民が参加するマラソンは世界各地で行われています。
これらの大規模なレースでは、あまりの人数の多さに、スタートできるまでに10分以上かかってしまう事もあるといいます。となると、最後尾付近のタイムはどの様に計算するのでしょうか?
実際、マラソンは号砲と同時に計算が始まります。その為招待選手などは最前列に陣取り、すぐに走り出せる様になってはいますが、最後尾付近がタイム的に不利になってしまうのは否めません。
これは、タイムを競うのではなく市民に楽しんでもらうのが第一という考えからきています。
しかし、海外では走者1人1人が主催者から提供された小型チップを靴や手首に取り付け、正確なタイムを計測できるようなシステムを取っている大会もあります。
残念ながら今のところ公式記録としては認定されませんが、今後の主流となっていくでしょう。
マラソン選手に先導車は邪魔なの?
マラソン中継を観ていると、先頭の選手が、先導車を邪魔そうにしている事が時折見受けられます。時には中継車、審判車、白バイ、そして先導車と、車やバイクを4台も5台も前にして走らなければならない時もあります。
以前、マラソン選手がテレビのインタビューで、「排気ガスが臭くて嫌だ」と言っていたのを聞いた事があります。当然だが、やはり息苦しいのでしょう。
その為、高橋尚子選手が優勝したシドニーオリンピックのマラソンでは、先導車をゼネラルモータース社の燃料電池車が務めていました。
この車は水素燃料電池車で、160馬力以上を発揮し、最高速度は140キロを優にオーバーするという高性能車です。それにもかかわらず、排気ガスは一切出さずに、マフラーから出てくるのは水蒸気だけという、クリーンな車なのです。
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