夢を売り買いした時代があった?悪い夢をいい夢に変える方法とは?どのようなものなのでしょう?

夢を売り買いした時代があった?

スポンサードリンク




「よい夢は、人に話すな」

という諺(ことわざ)があります。

理由を探ってみると、一説には、いい夢の話を人にすると、それを聞いていた人に幸運を盗まれてしまうからだとか。
もう一説には、夢を言葉にすると、幸運が「言霊」に乗り移り、飛んでいってしまうからというものです。古来、日本では、言葉には霊の力があるとされており、話す事で幸運が言葉にこもると思われていたからでしょう。

「宇治拾遺物語」には、ある男が夢占い師の家で、他人が話す吉夢の話を盗み聞きし、自分のものにしてしまう話があります。夢を奪った男は出世し、盗まれた男は鳴かず飛ばずで生涯を終えるのです。

源頼朝の妻、北条政子は、妹から夢を買ったといわれています。

妹が見た夢の話を聞いた政子が、
「それは不吉な夢だから、私が災難ごと買ってあげる」
と恩を着せ、かわりに鏡と着物を妹にあげて、夢を自分のものにしたのです。売り買いされた夢を自分のものにするためには、妹が夢を見た部屋で同じふとんをかぶり、聞いたままの夢を声に出して言えばよかったようです。

こうして政子は、将軍の妻の地位を射止めたわけですが、本当のところを知ったら、妹は怒り狂ったことでしょう。

スポンサードリンク



悪い夢をいい夢に変える方法とは?

奈良の法隆寺には夢違観音という仏像が収められています。この観音様は90センチ弱ほどの大きさで、優しく微笑んでいるような顔をしています。

古来、宮中の女官たちは、怖い夢、不吉な夢を見た時は、この夢違観音様に願をかければ、吉夢に変えてくれると信じていました。

同じく法隆寺にある夢殿で、聖徳太子が瞑想中に、天人から仏の教えを受けたという伝説があります。そこから発展して、夢違観音は、吉夢をもたらすという信仰になったのだろうという説が有力です。

ところで、京都にある六角堂は、僧侶の親鸞が籠って修行をした場として知られていますが、この六角堂は、夢殿によく似ているといわれています。親鸞は、この六角堂で夢想していると、夢に救世観音が現われました。そして、
「仏教者(仏の道を志す者)が、前世からの修行によって、女犯(女性と性的に交わる事)をするようなことがあっても、観音である私が代わって相手になって、交わってやろう。たとえ変わる肉体は生身の女であっても、その実体は観音である私と性行為をするのだから、仏教者は汚れたことにはならない」と告げたというのです。

そこで親鸞は、女性と関係を持ったり、妻を迎えたりすることは、決して仏の教えに背くものではないという確信を持ち、自分も公然と女犯妻帯を実行したというわけです。

親鸞が本当に救世観音の啓示を受けたかどうか、知るよしもないことですが、夢殿や夢違観音の信仰による影響が、少なからずあるのかもしれません。

スポンサードリンク